ポテンツァ(POTENZA)は、肌に極小サイズの針を刺し、針先からラジオ波(RF)と呼ばれる高周波の電磁波を照射する医療機器です。針で傷ついた肌が治癒することでターンオーバーが正常化され、RF照射によって肌の引き締めや美容成分の生成を促進する効果があります。
肌悩みごとに専用チップや薬剤が選択でき、それぞれの悩みに合わせたアプローチができるのもポテンツァの特徴です。ダーマペン4と比較してダウンタイムが少なく幅広い美容効果があるため、人気施術の一つとなっています。
本記事では、ポテンツァの効果やメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。施術を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
ポテンツァの主な効果
ターンオーバーを促し肌質の改善をはかるポテンツァは、コラーゲンやヒアルロン酸といった美容には欠かせない成分の生成を促します。さまざまな肌悩みをもつ方に人気ですが、ここでは代表的な3つの効果についてご紹介します。
肌・毛穴の引き締めと肌質改善
ポテンツァは肌の真皮層に熱を与え、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの美容成分の生成を促進させます。これにより、トラブルを抱えていた肌のターンオーバーが正常化し、肌質改善の効果を発揮します。
また、コラーゲンやエラスチンは肌のハリや弾力に大切な成分です。これらが増産されることで、毛穴や肌の引き締めにも効果があります。毛穴が引き締まることで皮脂の分泌が抑えられ、顔のテカリやベタつきの軽減を実感する方も少なくありません。
ニキビ跡や色素沈着の改善
ポテンツァはニキビ治療としても有名ですが、ニキビ跡や色素沈着にも効果を発揮します。針を刺すことで傷ついた皮膚が治癒する作用を利用し、皮膚の再生力を高めるためです。
特に、ニキビ跡の中でも肌表面が凸凹としたクレーター状のものは、美容医療でも治療が困難とされてきました。しかし、ポテンツァは、専用チップとRFの熱で肌の真皮層に働きかけることで、クレーター状のニキビ跡の改善も期待できるようになりました。
これまでのニキビ跡の治療では、あまり効果が実感できなかった方にとっては魅力的な治療と言えるでしょう。
しわの軽減
ポテンツァは、真皮層に直接RF照射による熱刺激を与えて線維芽細胞を活性化します。線維芽細胞は、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力やハリに効果のある美容成分を作り出す細胞です。そのため、線維芽細胞の活性化により、美容成分を生み出ししわの軽減につながります。
コラーゲンやエラスチンの効果により肌の弾力やハリ感がアップすることで、しわの軽減だけでなくたるみの改善を実感する方も多いでしょう。
ポテンツァのメリット
多くの肌悩みの改善が期待できるポテンツァですが、効果以外にもうれしいメリットがあります。ポテンツァの人気の高さに関係していると言える、その具体的なメリットについてご紹介します。
ダウンタイムが短い
針を使用する従来のニードル治療は、出血や赤み・腫れといったダウンタイムがデメリットの一つでした。ポテンツァの場合、使用する針も細く、針先から照射されるRFによって止血効果が得られます。そのため、赤みや内出血などが起こりづらく、ダウンタイムは約2〜3日と短期間ですみます。
専用チップで幅広い肌悩みに適応
ポテンツァには、肌悩みに合わせた豊富な専用チップがあります。このチップを使い分けることで、より効果的で満足度の高い治療が可能となります。
ただし、ポテンツァの施術をおこなっているクリニックでも、全ての専用チップが準備されているわけではありません。肌悩みに適した専用チップがあるかどうか、事前に問い合わせをするなどして確認しておきましょう。
ドラッグデリバリーシステム機能
ポテンツァには、ドラッグデリバリーシステムという機能があります。これは、針が抜けると同時に薬剤を注入し、薬剤を皮膚の真皮層へ均一に浸透させる機能です。
また、使用する薬剤にもさまざまな種類があります。専用チップ同様に、肌悩みに合わせて選択をするため、より効果的な治療が期待できます。
ポテンツァのデメリット
ポテンツァは人気の施術ではありますが、事前に知っておきたいデメリットもあります。ここでは、具体的なデメリットについてご紹介します。メリット・デメリットどちらも知ったうえで、施術を受けるかどうか検討するとよいでしょう。
施術料金は比較的高め
ポテンツァは、専用チップを使用しRF照射や薬剤の注入などが可能な施術です。多くの美容効果を実感できますが、その他の美容施術と比較すると料金は高めに設定されています。その主な理由は、専用チップや薬剤などの消耗品の値段が含まれているためです。もしも、極端に値段設定が安い場合は、必要な消耗品の価格が含まれていない可能性もあるため注意した方がよいでしょう。
複数回の施術が必要
ポテンツァは、1回でもお肌の変化を実感しやすい施術です。しかし、肌悩みを満足感が得られる程度まで改善したい方は、複数回の施術が必要となるケースがほとんどです。
肌悩みや実際の肌の状態に応じて、推奨される施術回数は異なります。1回の施術で、肌悩みがすべて改善することは稀です。カウンセリングなどで、おおよそ何回程度の施術が必要になりそうか確認しておきましょう。
施術を受けられないケースもある
ポテンツァは、人によっては施術が受けられないケースがあります。
- 妊娠中や授乳中の方
- 疾患や薬剤の影響で血が止まりにくい方
- 金属アレルギーの方
- ヒアルロン酸の注入後の方
- 金属糸や金属プレートを入れている方
上記以外にも施術が受けられない場合があります。事前にカウンセリングなどで、施術が可能かどうかを確認しておきましょう。
ポテンツァがおすすめな人
ポテンツァは、幅広い肌悩みに効果が期待できます。具体的には、以下のような肌悩みをもつ方におすすめです。
- お肌のハリ・弾力がなくなってきた
- 毛穴の開きやテカリが気になる
- 保険適用のニキビ治療に効果を感じない
- ニキビ痕(赤み・色素沈着・クレーター)が気になる
- 肝斑治療がしたい
- ダウンタイムの症状や期間を抑えたい
- 少ない回数で効果を実感したい
ポテンツァは、さまざまな肌悩みを改善したい方だけでなく、ダウンタイムの少ない施術を希望する方にも適した施術です。また、1回でもお肌の変化を実感しやすい施術でもあります。ただし、肌悩みをしっかりと改善するためには、症状に合わせて複数回施術をする必要があるため、その点は注意しておきましょう。
ポテンツァとダーマペン4の違い
ポテンツァと同じニードル治療で人気の施術に、ダーマペン4があります。針を刺し創傷治癒による美肌効果が得られる点は同じですが、以下のような大きな違いが3つあります。
- ダウンタイムが短い
- 肌悩みに合わせた専用チップが豊富
- RF照射と薬剤注入ができる
ニードル治療は、出血や腫れ・赤みなどのダウンタイム症状が現れます。ダーマペン4の場合、ダウンタイムの期間は約1週間ほどですが、ポテンツァはRF照射による止血効果もあり約2〜3日と短いのが特徴です。
また、ダーマペン4も施術時には痛みをともないますが、ポテンツァではRF照射の熱エネルギーの影響もあり少し違う感覚の痛みをともないます。
麻酔クリームを使用しますが、痛みに弱い方は事前に伝えておいた方がよいでしょう。RFの照射量や針の深さなども調整可能なため、痛みのコントロールができます。
さらに最大の違いは、RF照射と薬剤注入ができる点です。ダーマペンの効果に加えて、RFと薬剤注入の効果が得られるのが、ポテンツァの美肌効果が高く人気の理由と言えるでしょう。
まとめ
ポテンツァは、幅広い肌悩みの改善が期待できる人気の美容施術です。美容効果が高く、ダウンタイムも短期間に抑えられる点が大きなメリットです。
ただし、料金は比較的高めで、施術適応外となるケースもあるなどデメリットもあります。とても優秀で魅力的な美容機器ではありますが、自分に合った施術なのかしっかりと説明を受けてから判断するようにしましょう。